第59回熱測定講習会 無料公開プログラム
「熱分析の最新技術」
PDF版
はこちらです。
日 時:
2007年9月7日(金)9:30 - 12:15
会 場:
大阪大学豊中キャンパス法経講義棟(1番講義室)
アクセスは,
http://www.osaka-u.ac.jp/jp/about/map/toyonaka.html
をご参照ください。
主 催:
日本熱測定学会
ご案内:
日本熱測定学会は,正しい熱分析技術の普及を目的に,第59回熱測定講習会を来る9月5日〜7日,大阪大学豊中キャンパスを会場に開催します。講習会では,熱分析の基礎から医薬品や高分子材料の評価などに役立つ応用まで講義され,TG-DTAやDSC,ナノサーマルアナリシスの実習も予定されています。
今回の講習会では,熱分析装置メーカー8社の協力を得て,無料公開プログラム「熱分析の最新技術」を設けました。熱分析装置の利用や導入,更新をご検討されている皆様には,大変役立つプログラムとなっておりますので,お気軽にご参加下さい(事前申し込み不要)。
また,講習会の実習では,実際にいくつかの熱分析装置のパフォーマンスを,ご自身でお確かめ頂けますので,熱測定講習会へのご参加もぜひご検討下さい。実習のみの参加も可能です。(ただし,実習に使われる装置は,本公開プログラムで紹介された装置と異なる場合がありますので,ご了承下さい)。
熱測定講習会のプログラムの詳細,申し込み方法などは,
講習会のご案内ページ
をご覧下さい。
発表要旨:
(9:30 - 10:45)
「動的粘弾性測定装置DMA8000の紹介」
(株) パーキンエルマージャパン
辻井哲也
パーキンエルマー社の新製品,動的粘弾性測定装置DMA8000を用いた高分子系材料の解析例を紹 介する。DMA8000はコンパクトで,高速冷却や低温からの測定が簡単にできる。さらに,湿度制御 環境下での測定,液中での測定,新開発のマテリアルポケットによる粉体測定,石英ウィンドウに よりUV硬化性樹脂の硬化測定や測定中のサンプル観察ができる。またTMAも可能など,非常に多 くの特徴をもつDMAである。
「様々な材料評価を可能にするTMA応用技術」
ブルカー・エイエックスエス (株)
長澤新太
熱機械分析(Thermomechanical Analysis: TMA)は,物質の温度を調節されたプログラムに従って 変化させながら,荷重を加えた状態でその物質の変形を温度の関数として測定する技法です。TMA において,様々な形状のサンプルに対応するためアタッチメントの開発が進められ,得たい情報に より多種の測定モードが考えられています。近年では,湿度雰囲気下におけるTMA測定へのニーズ も高まりを見せています。
「メトラー・トレド熱分析装置DSCおよびTGAのご紹介」
メトラー・トレド (株)
澤田 順
熱分析において40年の歴史を持つメトラー・トレドがDSCおよびTGAの新情報を提供します。装 置・ソフトウエア共により使いやすく,より高性能になっており,研究開発の生産性向上に貢献し ます。新しいアプリケーションデータを交えて新機能を紹介します。
「加熱時発生ガス光イオン化質量分析法のご紹介」
(株) リガク
益田泰明
質量分析計の代表的なイオン化方式であるEI(電子イオン化)法では,電子衝撃によって多くの フラグメントイオンが発生し複雑なマススペクトルの解析を行わなくてはなりません。これに対し て,光イオン化(PI)法はEIに比べソフトにイオン化するためフラグメントイオンを発生すること なく分子イオンピークのみが生成,検出されます。このため複数のガスが同時発生した場合の解析 がEIに比べ容易となります。今回はこのPI法を搭載したTG-MSならびにTPDによる熱分解の測定結 果についてご紹介致します。
(10:55 - 12:15)
「ハイウェイTAによるTGの高分解能化」
エスアイアイ・ナノテクノロジー (株)
大田玲奈
熱重量測定(TG)は,材料の耐熱性評価や試料内成分比の定量などに,広く用いられているが, 成分定量を行う際には複数の反応が近接した温度域で連続して起こることがあり,定量精度が損な われる場合がある。このような場合には,TGの分離向上するための手法として,重量変化に応じて 昇温速度を変化させる速度制御熱分析法(CRTA)や測定データを低速昇温速度データに変換する 昇温速度変換シミュレーション法(ハイウェイTA)が有効である。今回は,それらの原理と応用例 を紹介する。
「試料の状態観察可能なDSC」
(株) 島津製作所
太田 充
通常のDSC測定は試料部が金属のカバーで覆われるため加熱中の試料の色や形の変化を観察する ことは出来ない。しかし,試料の変化をより確実に,客観的に評価するためにときによって直接観 察が有用なことも多い。この要求に対し,DSCと試料部ガラスカバー,実体顕微鏡,CCDカメラを 組み合わせ,DSC測定中の試料状態の変化を観察できるシステムを作製した。このシステムの応用 例を紹介する。
「最新の熱測定装置(DSC,マイクロカロリーメータなど)について」
ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン (株)
竹ノ下逸郎
弊社最新の熱測定装置に関して,特にDSC及びマイクロカロリーメータを中心にその最新技術を 紹介。また,それらの装置を使用して得た測定データを紹介させていただく。更にDSCと弊社マイ クロカロリーメータの特徴及び違いに関して紹介させていただく。
「局所熱分析法(ナノサーマルアナリシス)の現状と応用」
(株) 日本サーマル・コンサルティング
浦山憲雄
ナノサーマルアナリシスは原子間力顕微鏡(AFM)と温度コントロール可能なプローブ(サーマ ルプローブ)を使用し,試料表面のビジュアル像と100ナノメーター以下の局所領域における物質の 熱特性を高感度,高分解能での測定を可能にする熱分析法である。ミクロンオーダーの試料表面観 察から測定箇所を特定し,その箇所のローカル熱分析を室温〜500 ℃の温度範囲で行うことができ る。その応用としてブレンドポリマーや多層フィルムの各部測定,薄膜,ナノコンポジット等,ポ リマーや医薬品分析に適応できる。