第59回熱測定講習会

初心者のための熱分析の基礎と応用

−熱分析の基礎と高分子材料・医薬品への応用−

PDF版はこちらです。

会 期:2007年9月5日(水)〜7日(金)
会 場:大阪大学豊中キャンパス法経講義棟(講義)および共通教育化学棟(実習)
(豊中市待兼山町,大阪モノレール柴原下車あるいは阪急石橋下車)
アクセスは, http://www.osaka-u.ac.jp/jp/about/map/toyonaka.html をご参照ください。
主 催:日本熱測定学会
共 催:大阪大学G-COE「生命環境化学グローバル教育研究拠点」
協 賛:日 本化学会,日本農芸化学会,日本薬学会,日本物理学会,日本結晶学会,日本分析化学会,近畿化学協会,応用物理学会,日本冷凍空調学会,廃棄物学会,日本 金属学会,化学工学会,日本材料学会,高分子学会,プラスチック成型加工学会,日本油化学会,日本ゴム協会,繊維学会,日本セラミックス協会,資源・素材 学会,日本原子力学会,日本食品保蔵科学会,日本食品科学工学会,日本生物工学会,日本生化学会,日本生物物理学会,炭素材料学会,日本熱物性学会,石油 学会,日本鉱物学会,日本蛋白質科学会,日本鉄鋼協会,日本粘土学会,日本表面科学会,日本バイオマテリアル学会,日本家政学会,日本調理学会,日本液晶 学会,大阪医薬品協会,医薬工業協会 (順不同,予定)
参加のおすすめ:
 熱分析は,製品開発・品質管理における基礎物性測定手段として必要不可欠な分析法 です。現在では,熱分析装置の自動化・高機能化により,簡便に測定がおこなえる環境が実現されていますが,データの意味するところを正しく理解し,信頼性 の高い結果を得るためには,熱分析法の正しい知識,測定法のノウハウを知ることが重要となります。
 日本熱測定学会では,これから熱分析を始めようとしている方,熱分析装置を使っているが使い方やデータの解釈に不安のある方などの要望に応えて,熱測定 講習会を実施しております。本講習会では,基礎から応用までの広い範囲をカバーし,各分野の専門の研究者を講師に迎え,講義と実習を行います。講義では, 各講師の執筆によるテキストに加え,本学会編集の「熱量測定・熱分析ハンドブック」(丸善,1998年)をサブテキストにしています。また,分析機器メー カー各社のご厚意による市販熱分析機器によるデモンストレーションや最新技術のご紹介も行っており,充実した内容でこれまでご好評をいただいております。 さらに,事前に質問をお寄せいただければ,講師らによる回答を行う「個別質問」の時間も設けますので,有用な情報源としてご活用いただけるものと思いま す。
 今回の講習会では,熱分析法を理解するために必要とされる基礎知識に関する初歩的な授業を1日目に行い,高分子材料開発と医薬品開発に必要な熱分析法に 焦点をあてた講義と実習を2日目,3日目に実施致します。研究機関や企業で高分子材料,医薬品の研究・開発に携わっておられる方々には,双方の分野を理解 する機会をご提供できるよう,興味深い内容を計画しております。
 是非,この機会をご利用いただき,熱分析をご自身の技術とされますよう,講習会への御参加をお勧めいたします。
日本熱測定学会 企画幹事
戸田昭彦,武田 清,米持悦生,中別府修
 
プログラム:

9月5日(水) 講 義

10:00-10:10開会の挨拶と講習会の説明
10:10-12:10 材料・医薬品開発に役立つ化学熱力学の基礎
(大阪大学) 長野八久
   化学熱力学は,材料・医薬品開発の現場に,最も確かな指針を提供している。講義では,材料の均質化・不均化,品質保持,溶解度の制御などの課題に関わる化学熱力学の基礎知識について述べ,同時に化学熱力学が材料・医薬品開発のアイデアの宝庫でもあることを示す。
12:10-13:10昼食・個別相談
13:10-15:10 TG,TG-DTA (測定法と解釈,反応・相転移)
(広島大学) 古賀信吉
  1. TG-DTAの基本原理
2. TG-DTAの測定
3. TG-DTA曲線の解釈
4. TG-DTAで見る固体の反応
5. TG-DTA曲線の反応動力学的背景
6. TG-DTAの応用測定
15:10-15:30個別相談・休憩
15:30-17:30 DSC (測定法と解釈,ガラス転移)
(京都工芸繊維大学) 猿山靖夫
  1. どんな装置か,何が測定されるのか
2. 状態変化を測定する装置としてのDSC
3. ガラス転移の測定結果は,なぜ分かりにくいのか
4. 非平衡状態の有用性と注意点
17:30-17:50個別相談

9月6日(木) 講 義

10:00-12:00 医薬品の熱分析,熱測定−DSC,微少熱量計測定を中心として−
(東邦大学) 米持悦生
  1. 医薬品原薬の物理化学的性質の評価
   結晶多形,溶媒和物の確認
   結晶多形の転移挙動の解析
   結晶化度の確認と物理的安定性の評価
2. 処方設計のための医薬品製剤の安定性評価
   物理的安定性評価
   化学的安定性評価
3. 医薬品の溶解性の予測
12:00-13:20昼食・個別相談
13:20-15:20 高分子材料
(滋賀女子短期大学) 十時 稔
  1. 高分子における熱分析の重要性
2. 高分子の転移現象の一般性と特殊性
3. ガラス転移
4. 融解転移
5. 結晶化転移
6. 高分子の熱分析のJIS規格
7. DSCのゴーストシグナルの発生原因と対策
15:20-15:40個別相談・休憩
15:40-17:20 熱測定法トピックス
(東京工業大学) 橋本壽正
   いろいろな熱分析: 熱刺激電流法,熱ルミネセンス法,温度波熱分析法,熱伝導性から見た有機物の構造と転移,断熱材,熱伝導材
17:20-17:40個別相談
18:00-懇親会 (学生交流棟1階)

9月7日(金) 技術紹介・実習

9:30-12:15熱分析の最新技術 (参加費無料)
   熱分析装置メーカー8社(パーキンエルマージャパンブルカー・エイエックスエスメトラー・トレドリガクエスアイアイ・ナノテクノロジー島津製作所ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン日本サーマル・コンサルティング)によるご紹介。
  無料公開プログラム「熱分析の最新技術」のご案内ページ をご参照下さい。
12:15-13:15昼食
13:15-17:15実習 以下の(A)−(D)のうち,いずれかを選択
  医薬品の熱分析 (東邦大学) 米持悦生
 (A) 医薬品のDSC測定
    DSC装置の温度および熱量の校正,測定条件の決定
    DSC測定による医薬品の結晶多形・非晶質の確認
 (B) 医薬品のTG-DTA測定
    TG-DTA装置の校正,測定条件の決定
    TG-DTA測定による医薬品溶媒和物の確認
高分子の熱分析 (鳴門教育大学) 武田 清, (大阪大学) 長野八久
 (C) 高分子のDSC測定
    DSC装置の温度および熱量の校正
    DSC測定による高分子材料のガラス転移,結晶化,融解の確認
 (D) 高分子材料の局所熱分析
    高分子複合材料の局所熱分析

 
参加要領
テキスト:担当講師執筆による講演要旨
サブテキスト:「熱量測定・熱分析ハンドブック」丸善
講習会参加割引価格 5,880円 (消費税含)
定 員:講義70名,実習30名程度
参加費(テキスト,  消費税含):
【講義(2日)および実習】
  日本熱測定学会正会員36,750円
  学生会員21,000円
  維持会員47,250円
  協賛学協会会員57,750円
  非会員73,500円
【講義(1日)および実習】
  日本熱測定学会正会員28,875円
  学生会員18,375円
  維持会員36,750円
  協賛学協会会員44,625円
  非会員57,750円
【講義のみ(1日につき)】
  日本熱測定学会正会員10,500円
  学生会員3,950円
  維持会員13,125円
  協賛学協会会員15,750円
  非会員21,000円
【実習のみ】
  日本熱測定学会正会員21,000円
  学生会員15,750円
  維持会員26,250円
  協賛学協会会員31,500円
  非会員42,000円
【懇親会費】 3,000円(当日徴収します)
 
なお、本会正会員年会費は6,000円ですので、非会員の方はこの機会に、ご入会をお勧めします。
 
参加申込方法:
  • 申込書にご記入の上,書面にて郵送またはFAXにてお申込みください。  申込書(PDF)
  • 電話でのお申込みは受け付けておりません。
  • 申込書受理後,参加証・請求書をお送りいたします。
  • 参加費の払い戻しはいたしません。定員を超えた場合は先着順に締め切らせていただきます。
  • 個別相談の質問は,別紙にまとめて申込書と共にお送りください。
     
    申込先:日本熱測定学会事務局
     〒101-0032 東京都千代田区岩本町 1-6-7
     宮沢ビル 601
    TEL: 03-5821-7120,FAX: 03-5821-7439
    e-mail: netsu@mbd.nifty.com
    URL: http://wwwsoc.nii.ac.jp/jscta/index.html