熱測定サマースクール2018(第81回熱測定講習会)

~明日から使える!材料・環境・医薬・バイオ分野の熱測定初心者・ユーザー向け基礎講義&体験型実習~

日時:2018年8月23日(木)~24日(金) 会場:京都府立大学(京都府左京区下鴨半木町1-5 地下鉄烏丸線「北山駅」下車、正門まで南へ約600m) 受付・講義(23日): 稲盛記念館101号室 実習・サンプル測定(24日): 1号館1F 地下鉄烏丸線「北山駅」下車、正門まで南へ約600m アクセスは京都府立大学のHPをご覧下さい。 参加人数:先着30名程に制限させていただきます。 詳細、申し込みは以下をご利用ください。 第81回熱測定講習会会告 *台風について(2018/8/21 18:00更新) 台風20号の北上に伴い、近畿・中国・四国地方では8月23日夕方から8月24日早朝に かけて第81回熱測定講習会の会場付近も風雨が予想されています。 第81回熱測定講習会の幹事会として、以下の通り対応させて頂きます。 ご一読のほどよろしくお願いいたします。 1. 8月23日(木)および8月24日(金)で開催を予定しております。 2. 当日(おそらく8月23日の午後)どうしても継続が難しいと判断された場合は、 途中で切り上げる(帰宅または宿泊先へ)など内容変更の可能性もございます。 3. 当日の状況に応じて、急な受講キャンセルおよび講習内容の変更も受け付けま す。 あくまで安全最優先で各自出欠をご判断頂きますようお願いいたします。 4. 予定変更に伴う受講者の費用負担(払戻や振替など)は学会として個別に対応 させて頂きます。 5. 現時点で受講キャンセルをご希望の方は  netsu@mbd.nifty.com まで連絡を お願いいたします。 当日の緊急連絡および受講キャンセルの連絡は以下までお願いいたします。 会場世話役 京都府立大学 織田昌幸 TEL: 075-703-5673 email: oda@kpu.ac.jp 以上 企画幹事   古島圭智(東レリサーチセンター) 鈴木俊之(パーキンエルマージャパン) 島本茂 (近畿大) 岩間世界 (熊本学園大) ————————————————- 本講習会では、熱測定に関する基礎講義と、材料・環境・医薬・バイオ分野の熱分析に関する講義、実習、個別相談を行います。講師(大学や企業の研究者)や装置メーカー担当者とマンツーマンで相談しながら測定を行う時間を設けます。熱測定をこれから始めようとしている初心者はもちろん、既に研究・開発で熱分析を利用しているものの疑問を抱えている方々、およびDSC等の従来装置では問題が解決せず、新しい分析手法を模索している方々などの参加をお待ちしております。各日の講義終了後に,講師として講演された大学,企業,装置メーカーの方々とのグループディスカッション,個別相談の時間を設けます。測定データの持ち込みも可能ですので,問題解決のきっかけにもご利用いただけます。
会場世話人: 織田昌幸(京都府立大) 機器実習協力(順不同): ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン パーキンエルマージャパン メトラー・トレド リガク 日本熱測定学会: 企画幹事:古島圭智(東レリサーチセンター) 鈴木俊之(パーキンエルマージャパン) 島本茂(近畿大) 岩間世界(熊本学園大)
プログラム
8月23日(木) 講義
10:00~10:05 はじめに(現場で求められる熱測定)(企画幹事) 東レリサーチセンター 古島 圭智
10:05~11:15 熱分析の基礎と測定・解析ノウハウ ダイキョ-ニシカワ/京都工芸繊維大学 辻井 哲也 熱分析は,すべての物質および材料が対象であり,基礎から応用研究,プロセスおよび品質管理などの広い分野で利用されている。講習会のはじめに,示差走査熱量測定(DSC),熱重量測定(TG),熱機械分析(TMA)および動的粘弾性測定(DMA)の測定原理と装置構造をやさしく説明する。また,それぞれの測定法の特徴と測定における諸問題およびその対策,そして実際に活用できる測定・解析ノウハウを測定事例とともに紹介する。
11:15~12:00 現場での熱測定とその解釈-熱分析を有効活用するために- パーキンエルマージャパン 鈴木 俊之 熱分析は,JIS規格,様々な応用法まで記載された参考書など参考文献が多い.しかし,これらの手順で得た熱分析の結果であっても,解析手順の実例を紹介した参考書は少なく,結果の解釈や解析に多くの時間を費やす.ここでは結果を導くことに期間短縮が要求される企業の担当者や研究者が,熱分析の結果を扱うために必要,かつ,実践的な解析の方法などをDSC,TG-DTAの事例とともに紹介する.
12:00〜13:00 ~お昼休憩~
13:00~13:30 熱分析による構造変化の評価 ~蛋白質から高分子まで~ TAインスツルメント・ジャパン 麻見 安雄 構造分析を行う手法は多々あるが、熱分析は低分子から高分子まで様々な分子サイズの構造情報を物性評価と結び付けて考えることができる有用な手法である。ただし熱分析は適用範囲も広いため、最適な情報を得るためには適切な装置、手法を用いることも重要となる。今回は構造評価の観点から、どのようなサンプルをどの手法で解析するのか、またどのような装置が最適なのか目安を含め紹介する。
13:30~14:15 脂質の熱測定 徳島大学 松木 均 脂質は疎水性相互作用で自己組織化した分子集合系を形成し,相転移によりその集合形態を変化させる。本講義では,脂質が示す多彩な膜状態や相転移について説明し,熱測定が脂質集合系のキャラクタリゼーションに極めて有効な測定手段であることを紹介する
14:15~15:00 蛋白質・核酸のITC 京都府立大学 織田 昌幸 バイオ関連分野で最近特に汎用される等温滴定型カロリメトリー(ITC)について,その原理と,蛋白質や核酸など生体高分子への適用事例を概説する。ITCで得られる各種熱力学量を如何に解釈し,次に活かすか,DSCで得られる結果と如何に対比させるか,などを紹介したい。測定を通じて経験した注意点なども示しつつ,ITC初心者,あるいは少し使ってみたがどう活用できるか迷っているといった方々の疑問にお応え出来るようにしたい。
15:10~15:40 革新的技術の超高速DSC、FlashDSC1の装置とアプリケーション事例紹介 メトラー・トレド 鈴木 秀一 通常のDSCよりも3ケタ以上早い速度で昇降温することが可能なFlash DSC1がどのようなアプリケーションに利用されているのかその事例と測定のコツについてご紹介いたします。また、測定温度範囲が1000℃まで広がった新製品のFlash DSC2+についての紹介をいたします。
15:40~16:25 高速カロリメトリーとその応用 広島大学 戸田 昭彦 薄膜チップセンサーによる超高速DSCでは,微量の試料を用い,毎秒数千度以上の超高速で加熱や冷却し,定量的な熱測定を行うことができる。本講義では,この手法の原理,構造,特徴について概説し,高分子を主とした応用例について紹介する。
16:25~17:00 XRD-DSCと試料観察TG-DTAでわかる試料の状態変化 リガク 益田 泰明 TG-DTAやDSCなど汎用的な熱分析では定性的な議論には限界があります。このため、TGでは“どんなガスが発生しているのか?”、DSCでは“吸熱ピークにおける結晶構造の変化は?”などプラスアルファの情報が得られる複合熱分析についてご紹介いたします。また、試料を観察しながら測定できる試料観察熱分析についてもご紹介いたします。試料観察熱分析では反応中における試料の見た目の変化を確認することが可能となります。
   ~18:00 個別相談
8月24日(金) 講義、実習
9:30~10:15 フィルム関連の仕事で熱分析の使用事例 日東分析センター 荒山 岳人 ほぼすべての高分子材料は製品化する際に熱をかけて作られている。このため、TG(質量)、DSC(熱容量)、TMA(寸法変化)測定を行い、試料の物理的あるいは化学的性質を知ることで製品開発、品質管理、故障解析、クレーム対策などに対し非常に有用な知見が得られることが多い。本講義では、フィルムに特化し実際に熱分析がどのように使われているかを紹介する。
10:15~11:00 高分子材料の熱分析(基礎と応用) 東レリサーチセンター 石切山 一彦 高分子材料の融解,結晶化,ガラス転移,熱履歴等の基礎と,企業の研究開発・製造現場で活用されている事例,主にDSC,温度変調DSC,超高速カロリメーター等を用いた,熱可塑性樹脂,熱硬化性樹脂,エラストマー,ポリマーアロイ,高分子ゲル等に関する応用事例を紹介する。
11:00~11:45 熱分析を駆使した結晶多形の評価 物材機構 川上亘作 近年の医薬品候補化合物には、必ず結晶多形が存在すると言っても過言ではない。そして医薬品開発において結晶形の制御は必須であるが、各結晶形のキャラクタリゼーション、結晶多形の熱力学的関係および転移挙動の把握等に対して、熱分析は最も強力な評価手段である。本講義では結晶多形の基本的な説明に始まり、熱分析で結晶多形がどのように評価できるのか、さらに測定をどのように工夫できるのか等を解説する。
11:45~13:00 お昼休憩
13:00~17:00 実習 60分(休憩込み)×3, 以下の5種類の装置から3つを選んでもらいます(可能な限り希望通り)。
  • 温度変調DSC(TA)
  • ITC & nanoDSC(TA)
  • DSC(パーキンエルマー)
  • TG-DTA(リガク)
  • (高速カロリメトリー(Flash DSC))(メトラートレド)
  • 13:00~14:00 実習1
    14:00~15:00 実習2
    15:00~16:00 実習3
       ~17:00 個別相談
    参加要領 テキスト:講義スライドをまとめた冊子 サブテキスト:「熱量測定・熱分析ハンドブック」丸善 2010年1月に改訂第2版が発行されました。定価8,100円(消費税込)のところ、本講習会参加者には特別割引価格6,900円(消費税込)で販売致します。この機会にぜひご購入ください。
    【参加費】 日本熱測定学会および共催学会 正会員および維持会員 20,000 円 日本熱測定学会および共催学会 学生会員 5,000 円 協賛学協会 会員 25,000 円 協賛学協会 学生会員 7,000 円 非会員 一般 40,000円、学生 10,000円 (1日目もしくは2日目のみの参加) 日本熱測定学会および共催学会 正会員および維持会員 15,000 円 日本熱測定学会および共催学会 学生会員 3,000 円 協賛学協会 会員 20,000 円 協賛学協会 学生会員 4,000 円 非会員 一般 30,000円、学生 8,000円 熱測定学会に同時にご入会いただいた場合は、会員料金での参加となります。 (年会費:正会員6,000円、学生会員3,000円) 【実習(2日目)の参加要領】 (1)DSC、(2)温度変調DSC、(3)nanoDSC & ITC、(4)高速カロリメトリー、(5)TG-DTAより希望す るコース三つをお選びください。
    【参加申込方法】 以下のフォームより申込ください。もしくは、書面にてe-mailまたは郵送またはFAXにてお申込みください。電話でのお申込みは受け付けておりません。申込書受理後,参加証・請求書をお送りいたします。参加費の払い戻しはいたしません。 お申し込みは終了いたしました。
    申込先:日本熱測定学会事務局 〒101-0032 東京都千代田区岩本町1-6-7 宮沢ビル601 TEL:03-5821-7120 FAX:03-5821-7439 E-mail:netsu@mbd.nifty.com