熱測定スプリングスクール2019(第82回熱測定講習会)

熱測定スプリングスクール2019(第82回熱測定講習会) ~熱測定の基礎,測定データ解析,解釈法まで系統的に学ぶ~

日 時:2019年3月7日(木)~8日(金)
会 場:早稲田大学 理工(西早稲田)キャンパス(東京都新宿区)
受付・講義(7,8日): 56号館1階101教室(予定,※変更の場合,ご連絡します。)
実習(8日): 56号館4階403室 物理化学実験室(予定,※変更の場合,ご連絡します。)
地下鉄東京メトロ副都心線「西早稲田」駅 直結
JR山手線・地下鉄東京メトロ東西線「高田馬場」駅 下車徒歩15分
アクセスは
http://www.sci.waseda.ac.jp/access/
をご覧下さい。

本講習会は,熱測定の基礎講義,高分子材料・医薬品・生体・化粧品分析に関する講義,実習,個別相談で構成しました。実習では,実習目的に従い講師やメーカー担当者と相談しながら測定や結果を解析し,日々の疑問解決に役立てられる内容を予定しています。また,実習には初の試みとして熱分析全般の測定・解析を設けました。両日共に講義終了後,講師として講演された大学,企業,装置メーカーの方々とのグループディスカッション,個別相談の時間を設けます。
熱測定をこれから始めようとしている初心者はもちろん,疑問を抱えながら研究・開発で熱分析を利用している方まで,熱測定に関わる多くの方の参加をお待ちしています。

会場世話人 山崎 淳司(早稲田大学)
日本熱測定学会企画幹事 鈴木 俊之(パーキンエルマージャパン),島本 茂(近畿大学)
名越 篤史(国士舘大学),引間 悠太(京都大学)
機器実習協力(順不同) ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン,メトラー・トレド,
リガク,日立ハイテクサイエンス,島津製作所,
パーキンエルマージャパン

参加申し込みは本HPの参加申込フォームをご利用ください。
(近日公開)

プログラム

3月7日(木) 講義
9:55~10:00 はじめに(現場で求められる熱測定) (企画幹事) パーキンエルマージャパン 鈴木 俊之
10:00~11:15 「熱分析の基礎および基本的な測定と解析について」
(ダイキョーニシカワ / 京都工芸繊維大学) 辻井 哲也
熱分析は,すべての物質および材料が対象であり,基礎から応用研究,プロセスおよび品質管理などの広い分野で利用されている。示差走査熱量測定(DSC),熱重量測定(TG, TG-DTAを含む),熱機械分析(TMA)および動的粘弾性測定(DMA)の測定原理と装置構造を説明する。また,それぞれの測定法の特徴と測定における諸問題およびその対策,基本的な測定・解析法を測定事例とともに紹介する。

11:15~12:00 「熱分析(DSC,TG,TMA)の測定条件とデータの考え方」
(日立ハイテクサイエンス)西山 佳利
各種材料の評価に用いられる熱分析は,測定条件によって得られる結果の意味や解釈が異なってしまう。ここでは,DSC,TG,TMAに関して,サンプリングや試料量,昇温速度など測定上のポイントといった基礎から,適用事例によるデータ解釈,測定トラブルの対処方法,について解説する。
12:00~12:15 「試料観察熱分析(DSC,TG/DTA)の活用術」
(日立ハイテクサイエンス)西山 佳利
~お昼休憩~
13:15~14:15 「DTA・DSC・TG・TMAの校正とJIS」
(産業技術総合研究所) 清水 由隆
熱分析において精確な測定を行うためには適切な校正が必須である。熱分析において,なぜ校正が必要であるかを再確認し,DTA・DSC・TG・TMAといった代表的な熱分析法での市販装置における一般的な校正法や標準物質,校正の際の注意点について紹介する。また,熱分析の各手法による測定を行う上で参考となる代表的なJIS規格の内容についても紹介する。

14:15~15:00 「熱分析による相転移次数・気相との相互作用の解析法―セラミックスを例として」
(日本大学) 橋本 拓也
熱分析による相転移の解明は,一次相転移を対象とするものが殆どであったが,昨今は二次相転移も観測可能になってきた。また気体と固体の相互作用の解明に熱分析は有効であるが,気体成分の制御方法のノウハウはあまり知られていない。本講義では相転移次数や気相との相互作用を熱分析で解析しようとする場合の実験上の注意点を講演する。
15:00~15:15 「熱測定・熱分析による、バイオ医薬品製剤化における評価」
(ティーエーインスツルメントジャパン) 麻見 安雄
(休憩)
15:30~15:45 「複合熱分析と試料観察熱分析からわかる試料の状態変化」
(リガク) 益田 泰明
15:45~16:30 「低分子医薬品の物性評価における熱分析の利用法」
(物質・材料研究機構 / 筑波大学) 川上 亘作
医薬品開発において,熱測定は結晶形,結晶転移,融点,脱水和評価等,様々な目的に用いられる。しかしながら,多くの情報を得られるというDSCの長所は,測定者に知識が伴わなければ何を検出しているのか分からないという弱点にもなり得る。本講義では結晶多形評価を中心として,低分子医薬品開発における熱測定の利用法を,多くの事例やノウハウを含めて解説する。

16:30~17:15 「化粧品開発における熱分析の活用」
(資生堂グローバルイノベーションセンター) 岡本 亨
化粧品は油,水,粉末など互いに相溶しない多くの原料で構成され,乳化,分散,会合,増粘などの製剤技術により製剤化されている。これらの技術にはさまざまな熱転移現象が関わっており熱分析は重要な情報を与えてくれる。講演ではスキンケア製品開発の事例をベースに化粧品開発における熱分析の活用について解説する。

17:15~18:00 質疑応答・個別相談

3月8日(金) 講義,実習
9:30~9:45 「DSCの応用事例-等温結晶化と温度変調DSCなど-」
(パーキンエルマージャパン) 梅澤 直樹
9:45~10:30「蛋白質-リガンド,抗原-抗体相互作用解析における熱分析の活用」 (東京大学) 長門石 曉
「蛋白質-リガンド,抗原-抗体相互作用解析における熱分析の活用」 (東京大学) 長門石 曉
熱分析は、生体高分子の相互作用や品質を評価する上で非常に強力なツールである。
DSC測定は、相互作用における親和性と熱安定性の相関性を明瞭に示す。一方ITC測定は、特異的な相互作用を見極める上で威力を発揮する。
本講義では、生体分子や医薬品の研究において熱分析を実際にどの様に扱うのかについて、我々の最近の研究例をもとにお話ししたい。
10:30~12:15 実習(実習前講義含む)
12:15~12:30 実習クロージング

13:30~13:45 「熱分析による種々材料評価事例」
(島津製作所) 太田 充
13:45~14:00 「超高速DSCの紹介とアプリケーション事例」
(メトラー・トレド) 鈴木 秀一
14:00~14:45 「高分子の基礎と熱分析による評価」
((元)首都大学東京) 吉田 博久
高分子は分子鎖が長いため,分子量,コンフィグレーション,コンホメーションに分布を持つ。この分布と長い分子鎖が原因で,結晶性高分子であっても準安定な結晶と非晶が共存し,融点は熱履歴に依存する。融点の熱履歴依存性は,結晶化速度が遅いことが関係する。遅い結晶化速度は非晶の形成にも関係し,ガラス転移温度も熱履歴の影響を受ける。講義では,これらの互いに関係しあう融解,結晶化,ガラス転移について学ぶ。

14:45~16:30 実習(実習前講義含む)
16:30~16:45 実習クロージング

16:45~ 質疑応答
~17:30 個別相談

【実習(2日目)の参加要領】
午前・午後でそれぞれ120分の実習とし, “医薬品の熱分析”,“高分子の熱分析”,“熱分析全般の測定と解析”の3テーマから2テーマを選択ください.
メーカーによる原理や装置取り扱い説明,測定データの解釈についてグループディスカッションを実施しながら,講師が適宜アドバイスします。
【実習と装置】
DSC(高分子,医薬品,熱分析全般),Flash DSC(熱分析全般),TG-DTA(医薬品),DMA(熱分析全般)を実習に割り当てました。
1. 高分子の熱分析(実習)
高分子の融解,結晶化,ガラス転移の測定を通じて,講義で学んだ内容を再確認する。
熱履歴の異なる高分子の融解,結晶化,ガラス転移がどのように観察されるかを,データ解析をしながら学び,これらの熱データからどのような情報が得られるかを考える。
2. 医薬品の熱分析(実習)
医薬品関連低分子化合物の熱分析を行い,講義で学んだ内容を再確認する。融解,多形転移,ガラス転移,結晶化,緩和,脱水和などがどのように観察されるか、それらをどのように解析するかを,実際に体験する。
3. 熱分析全般の測定と解析(実習)
DMAおよびDSC,Flash DSCを用いて,材料(高分子)の熱測定をする。それぞれの機器におけるサンプリングと解析を体験し,測定データの取り扱いについての実習をする。

参加要領
テキスト: 講義スライドをまとめた冊子
サブテキスト: 「熱量測定・熱分析ハンドブック」丸善
2010年1月に改訂第2版が発行されました。定価8,100円(消費税込)のところ、本講習会参加者には特別割引価格6,900円(消費税込)で販売致します。また,学生を除く両日参加申込と同時に事前購入予約される方に参加費の特別価格を設定しました。この機会にぜひご購入ください。

【参加費】
日本熱測定学会および共催学会 正会員および維持会員 30,000 円 (参加申込と同時にハンドブック購入の場合35,000 円)
日本熱測定学会および共催学会 学生会員 5,000 円
協賛学協会 会員 36,000 円 (参加申込と同時にハンドブック購入の場合42,000 円)
協賛学協会 学生会員 7,000 円
非会員 一般 40,000円 (参加申込と同時にハンドブック購入の場合46,000 円)、学生 10,000円

(1日目もしくは2日目のみの参加)
日本熱測定学会および共催学会 正会員および維持会員 20,000 円
日本熱測定学会および共催学会 学生会員 3,000 円
協賛学協会 会員 23,000 円
協賛学協会 学生会員 4,000 円
非会員 一般 30,000円,学生 8,000円

熱測定学会に同時にご入会いただいた場合は,会員料金での参加となります。
(年会費:正会員6,000円,学生会員3,000円)

【実習(2日目)の参加要領】
高分子(DSC),医薬品(DSC,TG-DTA),熱分析全般(DSC,Flash DSC,DMA)より希望するコース二つをお選びください。

【参加申込方法】
学会ホームページからお申込みいただけます。もしくは以下の申込書にご記入の上,書面にてe-mailまたは郵送またはFAXにてお申込みください。電話でのお申込みは受け付けておりません。申込書受理後,参加証・請求書をお送りいたします。参加費の払い戻しはいたしません。
申し込み用WORDファイルはこちら

第82回熱測定スプリングスクール参加申し込み書(WORD)

    熱測定スプリングスクール2019(第82回熱測定講習会)参加申込みフォーム

    申込責任者氏名 (必須):

    フリガナ (必須):

    メールアドレス (必須):

    会社・機関名 (必須):

    所属部署名 (必須):

    郵便番号 (必須):

    住所 (必須):

    電話番号 (必須):

    申込責任者と参加者が異なる場合は以下の参加者の欄にご記入下さい。

    参加者氏名:

    フリガナ:

    参加者所属部署名:

    参加日程:

    全日程1日目のみ2日目のみ

    会員区分・参加費:

    熱測定学会に同時にご入会いただいた場合は、会員料金での参加できます。 (年会費:正会員6,000円、学生会員3,000円)

    会員番号(本学会会員のみ):

    共催・協賛学会名:

    実習:高分子(DSC),医薬品(DSC,TG-DTA),熱分析全般(DSC,Flash DSC,DMA)より希望するコース二つをお選びください。
    高分子(DSC)医薬品(DSC,TG-DTA)熱分析全般(DSC,Flash DSC,DMA)

    申込先:日本熱測定学会事務局
    〒101-0032 東京都千代田区岩本町1-6-7 宮沢ビル601
    TEL:03-5821-7120,
    FAX:03-5821-7439,
    E-mail:netsu@mbd.nifty.com
    URL http://www.netsu.org/

    【会場の地図】