61回熱測定講習会


初心者のための熱分析の基礎と応用

−熱分析の基礎と高分子・医薬品への応用−

 

PDF版はこちらです。

会 期:

2008年9月10日(水)〜12日(金)

会 場:

大阪大学豊中キャンパス(大阪府豊中市)(豊中市待兼山町,大阪モノレール柴原下車あるいは阪急石橋下車)

アクセスはhttp://www.osaka-u.ac.jp/jp/accessmap.html#map01をご参照下さい。

 

主 催:

共  催:

日本熱測定学会

大阪大学グローバルCOE「生命環境化学グローバル教育研究拠点」

協 賛:

日本化学会,日本農芸化学会,日本薬学会,日本物理学会,日本結晶学会,日本分析化学会,近畿化学協会,応用物理学会,日本冷凍空調学会,廃棄物学会,日本金属学会,化学工学会,日本材料学会,高分子学会,プラスチック成型加工学会,日本油化学会,日本ゴム協会,繊維学会,日本セラミックス協会,資源・素材学会,日本原子力学会,日本食品保蔵科学会,日本食品科学工学会,日本生物工学会,日本生化学会,日本生物物理学会,炭素材料学会,日本熱物性学会,石油学会,日本鉱物学会,日本蛋白質科学会,日本鉄鋼協会,日本粘土学会,日本表面科学会,日本バイオマテリアル学会,日本家政学会,日本調理学会,日本液晶学会,大阪医薬品協会,医薬工業協会 (順不同,予定)

参加のおすすめ:

熱分析は,製品開発・品質管理における基礎物性測定手段として必要不可欠な分析法です。現在では, 熱分析装置の自動化・高機能化により, 簡便に測定できる環境が数多く提供されていますが,データの意味するところを正しく理解し,信頼性の高い結果を得るためには,熱分析法の正しい知識,測定法のノウハウを知ることが重要となります。

日本熱測定学会では,これから熱分析を始めようとしている方,熱分析装置を使っているが,使い方やデータの解釈に不安のある方などの要望にお応えするため,熱測定講習会を実施しております。本講集会では,基礎から応用までの広い範囲をカバーし, 各分野の専門の研究者を講師に迎え,講義と実習を行います。講義では,各講師の執筆によるテキストに加え,本学会編集の「熱量測定・熱分析ハンドブック」(丸善,1998年)をサブテキストにしています。また,分析機器メーカー各社のご厚意により,市販熱分析機器の最新技術の紹介も行っており,充実した内容でこれまでご好評をいただいています。さらに,事前に質問をお寄せいただければ,講師らによる回答を行う「個別質問」の時間も設けておりますので,有用な情報源としてご活用いただけるものと思います。

今回の講習では,熱分析法を理解するために必要となる基礎知識に関する入門的な講義を第1日目に行い,高分子材料開発,医薬品開発に必要な熱分析法ならびに近年注目を浴びている微少試料熱分析法に関する講義を2日目に実施いたします。更に3日目には,各分析機器メーカーによる最新技術の紹介と医薬品開発,高分子開発のための熱分析実習を行います。各種基礎研究機関や企業で高分子・医薬品の研究開発に携わっておられる方々には双方の分野を理解していただける機会をご提供できるよう,興味深い内容を計画しております。

是非,この機会をご利用いただき,熱分析の確かな技術を身につけていただけますよう講習会へのご参加をお勧めいたします。

日本熱測定学会企画幹事

武田 清,藤澤 雅夫,中別府 修,飯島正徳

 

 
9月1 0 日(水) 講義

10:00-10:10 開会の挨拶と講習会の説明

10:10-12:00 材料・医薬品開発に役立つ化学熱力学の基礎(大阪大学)長野八久

化学熱力学は材料・医薬品開発の現場に,最も確かな指針を提供している。講義では,材料の均質化・不均化, 品質保持, 溶解度の制御などの課題に関わる化学熱力学の基礎知識について述べ, 同時に化学熱力学が材料・医薬品開発のアイデアの宝庫でもあることを示す。

12:00-13:00   個別相談・昼食

13:00-14:50   T G , T G - D T A- 測定法と解釈,反応・相転移-(広島大学)古賀信吉

1. TG-DTAの基本原理/2. TG-DTAの測定/3. TG-DTA曲線の解釈/4. TG-DTAで見る固体の反応/5. TG-DTA曲線の反応動力学的背景/6. TG-DTAの応用測定

14:50-15:10 個別相談・休憩

15:10-17:00   D S C- 測定法と解釈,ガラス転移,化学反応-(京都工芸繊維大学)猿山靖夫

1. どんな装置か,何が測定されるのか/2. 状態変化を測定する装置としてのDSC/3. 相転移,ガラス転移,化学反応

17:00〜17:20 個別相談

9月1 1 日(木)講義

10:00〜11:50 高分子の熱分析-ガラス・融解・結晶化の各転移を中心として-(福井大学・日本サーマルコンサルティング)十時稔

高分子の各転移現象を, 主として演者らの研究結果を使用しつつ, 基礎から応用まで平易に解する。

1. 高分子における熱分析の重要性/2. 高分子の転移現象の一般性と特殊性/3. ガラス転移/4. 融解転移/5. 結晶化転移/6. 高分子の熱分析のJIS規格/7. DSCゴーストシグナルの発生原因と対策

11:50〜13:00 個別相談・昼食

13:00〜14:50 医薬品の熱分析,熱測定― D S C,微少熱量計測定を中心として―(東邦大学)米持悦生

1. 医薬品原薬の物理化学的性質の評価

・結晶多形,溶媒和物の確認/結晶多形の転移挙動の解析/結晶化度の確認と物理的安定性の評価

2. 処方設計のための医薬品製剤の安定性評価

・物理的安定性評価/化学的安定性評価

3. 医薬品の溶解性の予測

14:50〜15:10 個別相談・休憩

15:10〜17:00 微小試料・微小領域の熱分析(明治大学)中別府修

微細加工技術で作られる微小なカロリメータを用い, ナノグラム試料の超高速熱分析や走査型プローブ顕微鏡を応用したマイクロメートルスケールの局所熱分析が研究開発されている。従来機器に比べ, 試料質量や分析時間,分析対象が3桁以上小さくなった熱分析では, ナノスケール効果や構造変化を押さえた高分子の熱分析など, 新たな可能性が拡がっている。本講では, これらを初心者向けに,平易に紹介する。(測定原理, チップカロリメトリ, 応用例, 将来の可能性,ほか)

 

9 月1 2日(金)技術紹介・実習

9:30〜12:10 公開セミナー

熱分析機器の最新技術(参加費無料)

熱分析装置メーカー8社( ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン, 日本サーマル・コンサルティング, エスアイアイ・ナノテクノロジー, 島津製作所, メトラー・トレド, リガク, パーキンエルマージャパン, ブルカー・エイエックスエス) による最新技術のご紹介。

12:10〜13:00 昼食

13:00〜17:00 実習

(A,B - 1 , B - 2 のうち1課題を選択)

(A)医薬品の熱分析(東邦大学)米持悦生

DSC  ・装置の校正,測定条件決定  ・医薬品多形の確認  ・医薬品非晶質の確認

TG-DTA  ・装置の校正,測定条件決定  ・医薬品溶媒和物の確認

(B)高分子の熱分析(近畿大学)藤澤雅夫(明治大学)中別府修

(B - 1)高分子材料のD S C  ・高分子におけるガラス転移, 結晶化転移,融解転移と熱分析の実際

                    ・ポリエチレンテレフタレートの熱履歴による転移挙動の変化

                    ・ポリエチレンテレフタレートの物理処理による結晶化度の変化

(B - 2)高分子材料の局所熱分析  ・高分子複合材料の局所熱分析

 

 

第6 1回熱測定講習会参加要領

テキスト:担当講師執筆による講演要旨

サブテキスト:「熱量測定・熱分析ハンドブック」丸善。

講習会参加割引価格5,880円(消費税含)

定員:講義80名,実習30名程度

参加費(テキスト, 消費税含)

【全課程(講義2日および実習)】

日本熱測定学会正会員36,750円/学生会員21,000円/維持会員47,250円/協賛学協会会員57,750円/非会員73,500円

【講義1日および実習】】

日本熱測定学会正会員28,875円/学生会員18,375円/維持会員36,750円/協賛学協会会員44,625円/非会員57,750円

【講義のみ(1日につき)】

日本熱測定学会正会員10,500円/学生会員3,950円/維持会員13,125円/協賛学協会会員15,750円/非会員21,000円

【実習のみ】】

日本熱測定学会正会員21,000円/学生会員15,750円/維持会員26,250円/協賛学協会会員31,500円/非会員42,000円

※日本化学会, 日本薬学会の会員は日本熱測定学会正会員, 学生会員, 維持( 法人) 会員と同額でご参加いただけます。

申込先:日本熱測定学会事務局〒1 0 1 -0032 東京都千代田区岩本町1-6-7 宮沢ビル601,

TEL. 03-5821-7120, FAX. 03-5821-7439, E-mail: netsu@mbd.nifty.com

参加申込方法: