第39回熱測定ワークショップ

「科学教育の現状と教養としての熱力学」


 子供,大人を問わず,科学離れが声高に叫ばれる近年,理科教育全般において熱力学的概念が教育現場から遠ざかっていく現況があります。言うまでもなく,熱力学は物質の巨視的性質を記述する理論体系であって,科学技術立国を目指すわが国において,最も基本的な知的基盤を支える学問分野となっています。また熱力学は,環境問題をはじめとする非常に広範な分野とも関わりを持つため,科学を専門としない人たちにとっても,社会人として必要とされる科学的素養の一部をなすべきものと思われます。
 その中で,小学校から高等学校までゆとり学習が実施され,初等・中等教育における理科の時間数減少と教育内容の大幅削減が進められています。子供の理科離れや学力低下などにとどまらず,これらのことが,社会全体のサイエンスリテラシー低下を招くことが最も憂慮されるのではないでしょうか。一方で,教育課程を安易に過去へと回帰させることが根本的な問題解決策とも思えません。このような現状を鑑み,熱力学を中心として,科学教育全般にわたる現状の把握とその改善策を明らかにしていくことを目的として,ワークショップを企画しました。ご関心をお持ちの方々に,広くご参加をお願いいたします。
(世話人:武田 清)

主 催:日本熱測定学会
日 時:2004年8月23日(月)12 : 30 受付開始(ワークショップ終了後,懇親会を予定)
場 所:大阪大学 待兼山会館(豊中キャンパス内)
    大阪モノレール柴原駅下車徒歩15分,阪急宝塚線石橋駅下車徒歩15分

プログラム(講演題目は仮題):
13 : 00〜14 : 30 初等・中等理科教育の現状
 「小学校教員養成での物理教育は何を教えるべきか」(大阪教育大学)種村雅子
 「科学教育の国際的転換と、初等中等教育の現状と課題 ―われわれは生徒・学生に,
  何をいかに教えるべきか―」(香川大学)川勝 博
14 : 40〜16 : 10 大学における教養教育と熱力学
 「教養としての化学熱力学」(大阪大学)長野八久
 「化学熱力学の基礎教育とエネルギー教育の必要性」(広島大学)田中春彦
16 : 20〜17 : 00 総合討論 司会:武田 清(鳴門教育大学)

参加費:無料(懇親会費は別途)
参加申込:氏名(ふりがな),所属団体名,所属部署名,連絡先(住所,電話番号,ファックス
 番号,E-mailアドレス等),懇親会の参加・不参加を明記の上,E-mailもしくはFAXにて7月
 末日までに下記宛お申込ください。
連絡先・問合先:〒772-8502  徳島県鳴門市鳴門町高島字中島748
 鳴門教育大学自然系(理科)教育講座 武田 清
 TEL. 088-687-6429,FAX. 088-687-6022,E-mail: takeda@naruto-u.ac.jp