第52回熱測定講習会

初心者のための熱分析の基礎と応用


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会 期:2004年3月10日(水)〜12日(金)
会 場:大妻女子大学(東京都千代田区三番町)

主 催:日本熱測定学会
協 賛:日本化学会,日本農芸化学会,日本薬学会,日本物理学会,日本結晶学会,
 日本分析化学会,近畿化学協会,応用物理学会,日本冷凍空調学会,廃棄物学会,
 日本金属学会,化学工学会,日本材料学会,高分子学会,プラスチック成形加工学会,
 日本油化学会,日本ゴム協会,繊維学会,日本セラミックス協会,資源・素材学会,
 日本原子力学会,日本食品保蔵科学会,日本食品科学工学会,日本生物工学会,
 日本生化学会,日本生物物理学会,炭素材料学会,日本熱物性学会,石油学会,
 日本鉱物学会,日本蛋白質科学会,日本鉄鋼協会,日本粘土学会,日本表面科学会,
 日本バイオマテリアル学会,日本家政学会,日本調理科学会(順不同,予定)
 

参加のおすすめ

 熱分析は,食品,医薬品,高分子材料など,人間の生活に密接に関連した分野での新製品開発などに広く利用されています。現在では,熱分析装置による測定がブラックボックス化していますが,信頼性の高い結果を得るためには,熱分析の正しい知識,測定法のノウハウを知ることが重要です。
 日本熱測定学会では,これから熱分析を始めようとしている方,装置はあるが使い方やデータの解釈に不安のある方を対象に,熱測定講習会を実施しております。本講習会では,基礎から応用までの広い範囲をカバーし,各分野の専門の研究者を講師にむかえております。講義に続いて,3日目には実習を行うことも,本講習会の大きな特徴です。各講師の執筆によるテキストを用い,さらに本学会が編集した「熱量測定・熱分析ハンドブック」(丸善,1998年)をサブテキストにしています。分析機器メーカーのご好意による,最新の市販熱分析機器によるデモンストレーションは,生きた情報源としてご利用いただけます。それから,ご好評をいただいている「個別相談」を行います。講習会申込み時にお送りする用紙に質問を記入して事務局にお送り下さい。講習会当日の質問も受け付けております。また,学生会員の皆様が本講習会を受講しやすくするため,講義のみの参加費を低額に設定いたしております。
 是非,この機会をご利用いただき,熱分析をご自身の技術とされますよう,おすすめいたします。

    日本熱測定学会 企画幹事 澤田 豊,東條壮男,宮崎裕司,山根常幸
 

3月10日(水) 講  義
 

10:30 - 10:35 開会のあいさつと講習会の説明

10:35 - 11:35 熱測定の基礎  ─ データ解釈の基礎:熱力学
(東京都立大学)吉田博久
1. 熱,温度,熱容量
2. ギブズエネルギー,エンタルピー,エントロピー
3. 相転移と相図
4. ガラス転移と緩和現象
5.  DSCの標準物質

11:45 - 12:45 熱分析の基礎  1  ─ TG,CRTGを中心に
(理学電機)佐藤博明
1. TG, CRTGの原理
2. 装置の校正
3. TGの測定条件と注意事項
4. TG測定における問題点
5. 変化の内容と,より多くの情報を得るために

12:45 - 13:00 午前の総合質問・個別相談

13:00 - 14:00 個別相談・昼 食

14:00 - 15:00 熱分析の基礎   2  ─ DTA,DSCを中心に(神奈川大学)西本右子
1. DTA,DSCの原理
2. DTA,DSC曲線の理解
3. 装置の校正と標準物質
4. 測定の工夫と注意事項
5. その他のDSC
6. 測定例

15:10 - 16:10 熱分析の基礎   3  ─ TMA, DMAを中心に(神奈川大学)西本右子
1. TMAの原理と測定法
 TMAの原理/各測定モード/測定条件/測定の実際/特殊測定の例/測定例
2. DMAの原理と測定法
 DMAの原理/各測定モード/データの解析/測定例

16:25 - 17:25 測定法の最近の進歩(千葉工業大学)小沢丈夫
1. 熱分析の種類と定義
2. 新しい微視的熱分析
3. 新しい温度制御

17:25 - 17:40 午後の総合質問・個別相談

3月11日(木) 講  義

10:00 - 11:00 食品の熱分析(大妻女子大学)畠山立子
1. 熱分析の注意点
2. でんぷんの糊化・老化
3. 多糖類ゲル中の不凍水
4. TMAによるゲルの膨潤率測定

11:10 - 12:10 高分子の熱分析(埼玉大学名誉教授)柴崎芳夫
1. 高分子の熱的性質の特徴−からみ合い−
2. ガラス転移挙動の特質
3. 結晶性高分子の相転移挙動の特質
4. 高分子の熱分解,熱酸化分解等の熱分析

12:10 - 12:25 午前の総合質問・個別相談

12:25 - 13:25 個別相談・昼食

13:25 - 14:25 医薬品の熱分析(東邦大学)米持悦生
1. 医薬品の物理形態
2. 医薬品と添加剤の相互作用
3. 医薬品の安定性予測
4. 医薬品の溶解速度の予測

14:35 - 15:45 装置メーカーによるテクニカルノウハウ
・TG/DTAの測定(理学電機(株))佐藤博明
・DSCの測定((株)島津製作所)太田充
・M-DSCの測定(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン(株))浦山憲雄
・TMAの測定(ブルカー・エイエックスエス(株))長谷祥子
・DMAの測定(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株))大久保信明
・高分子の測定((株)パーキンエルマージャパン)辻井哲也
・医薬品の測定(メトラートレド(株))池田靖

15:45 - 16:00 午後の総合質問・個別相談

16:00 - 16:30 メーカー・講師との懇親会・熱測定学会紹介
 装置メーカー・若手の会

16:30 - 17:40 装置メーカー展示説明・個別相談
 装置メーカー等
 

3月12日(金) 熱分析機器による実習

  10:00 - 16:00  実習課題の説明と実習
 (AとBのうち1課題を選択)

(A)高分子 (埼玉大学)柴崎芳夫  
  試料の取扱い方
  試料の熱履歴や雰囲気の調整
  測定条件の選択
  測定
  ピークの解釈

  装置:DMA エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)
     DSC (株)パーキンエルマージャパン
     DSC ブルカー・エイエックスエス(株)

(B)医薬品(東邦大学)米持悦生
  DSC装置の温度および熱量の校正,測定条件の決定
  DSC測定による医薬品多形の確認
  TG-DTA装置の校正,測定条件の決定
  TG-DTA測定による医薬品溶媒和物の確認
  DSC測定による医薬品非晶質の確認

  装置:TG/DTA メトラートレド(株)
     TG/DTA 理学電機(株)
     DSC     ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン(株)
     DSC  (株)島津製作所

16:00 - 17:00 実習に関する個別質問

17:00 閉 会

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第52回熱測定講習会 参加要項

テキスト:担当講師執筆による講演要旨・資料

サブテキスト(「熱量測定・熱分析ハンドブック」丸善)
  講習会参加割引価格 5,880円(消費税含)

定 員:講義 80名,実習 24名程度

参加費(テキスト,  消費税含む)
 【講義および実習】
   日本熱測定学会正会員 36,750円
   学生会員 21,000円
   維持会員 47,250円
   協賛学協会会員 57,750円
   非  会  員 73,500円
 【講義のみ】
   日本熱測定学会正会員 21,000円
   学生会員 7,800円
   維持会員 26,250円
   協賛学協会会員 31,500円
   非  会  員 42,000円
 【実習のみ】
   日本熱測定学会正会員 21,000円
   学生会員 15,750円
   維持会員 26,250円
   協賛学協会会員 31,500円
   非  会  員 42,000円

参加申込方法:
・申込書にご記入の上,書面にて郵送またはFAXにてお申込み下さい。学会ホームページにも申込み書式がありますのでご利用下さい。
・電話でのお申込みは受け付けておりません。申込書受理後,参加証・請求書をお送りいたします。
・参加費の払戻しはいたしません。定員を超えた場合は先着順に締め切らせていただきます。
・個別相談の質問は,別紙にまとめて申込書と共にお送り下さい。

連絡先・問合先:日本熱測定学会事務局
TEL. 03-5821-7120,FAX. 03-582-7439
E-mail: netsu@mbd.nifty.com